人ってそれぞれ違う価値観や判断基準を持っていますよね。
別にどれが「正しい」とか「間違っている」ではなくて
「私とあの人は違う」だけです。
でも、違う価値観、違う判断基準にぶつかると
ついつい「正しい」か「正しくないか」で
決めてしまうとしてしまいがちです。
「あの人の考え方って間違ってるよね?」
「普通は○○って考えるでしょ」
「○○するのが常識だよね」
と、ついつい責めてしまうことがあります。
だけど、世の中って
「正しいか正しくないか」、「白か黒か」
で決められることばかりではありません。
学校のテストのように
はっきりとした正解があることの方が少ないです。
自分が考えていることや、やっていることも
ある部分では正しいし、ある部分では正しくないかもしれない
ほかの人だって、自分と考え方が違ったり
行動の仕方が違ったとしても
正しい部分もあるし、正しくない部分もあるかもしれない
以前、子供の学校で役員決めをした時に
「子供一人につき1回は役員をやるようにって
暗黙のルールがあるのに、○○さんは逃げるために
保護者会をいつも欠席してずるい」
ということを言い出したお母さんたちがいました。
たしかにうちの子供たちの学校では
仕事を持っていようが、小さい子供がいようが
原則、在校生1人につき役員を1回やるという
暗黙のルールはありました。
ただ、全員が必ず1回やるだけの役員の
仕事はないわけです。
それにクラス編成の都合で
高学年になると役員経験者ばかりで
2回やらないとならない場合もあるし
未経験者ばかりが集まったクラスだと
やらなくていい人がたくさん出てくることもあります。
あくまでも
「できるだけみんなで協力しましょうね」
って、ことなわけです。
ただ、役員を経験したお母さんたちの中には
「私はやったのに、あの人だけ逃げるのは間違ってる」
と思う人も出てきます。
で、このいつも保護者会を欠席してたお母さんですが
実は役員をやりたくなくて逃げていたわけじゃないんです。
子供が小学校に上がる直前に
ご主人が急に亡くなってしまって
彼女が一人で子供たちを育てなければならなくなり
毎日仕事を掛け持ちしながら
必死に頑張っていたんです。
学校に入ってからの不幸なら、学校からの連絡で
事情も分かりますが
入学前のことなので、知らない人の方が
圧倒的に多かったわけです。
彼女にしてみても、できることなら
子供たちのためにも学校に協力したいと
思っていたかもしれませんし
もっと学校での子供たちの様子も
知りたいと思っていたと思います。
だけど、それよりもやらないといけないこと
役員を出来ない事情が彼女にはあったんです。
それでも、運動会など1日だけでいい
お手伝いなど、自分ができることは
積極的にお手伝いしていました。
もちろん事情が分かってからは
誰も彼女のことを責めなくなりましたし
子供のことなどでのサポートをしてあげようって
いう人たちも出てきました。
たしかに、役員をやるという暗黙のルールを
破っているという面では「間違っている」のかもしれません。
だけど、どうしてもできない事情を考えれば
「間違っている」とは言い切れませんよね。
「正しいか正しくないか」、「白か黒か」だけで決めつけないで
自分とその人の「違い」というものを受け止めることも大切です。