それ、子供のためになってないでしょ
子供が小学生の頃、
子育てにすごく熱心な
お母さんがいました。
う~ん、熱心というより
自分の子供が常に一番じゃないと
気に入らないっていうのかな。
何もかもっていうんじゃないんだけど
自分の思い入れの強いものに関しては
自分の子供が一番じゃないと認めないっていうか。
自分の子供を何としてでも
一番にしようって思いがすごく強くって
一番になれなかったときは
自分の子供じゃなく、先生だったり
学校だったり、友達やそのお母さんを
責めたりしてて。
例えば市内の小中学校が参加する
駅伝大会が毎年あるんだけど
その大会に参加するには
学校の代表選手にならないと
いけないわけ。
もちろん、その子も選手候補生として
選ばれていて、毎日朝練も放課後の練習も
一生懸命頑張ってたのね。
それに加えて、毎日お父さんが
ランニングに付き合って
まさに駅伝のための英才教育を
してたんだけど。
前の年はキャプテンにも選ばれて
トップ選手として選出されて
お母さんも大満足してたんだけど
次の年は、なんと補欠になってしまって。
そしたら、そのお母さん朝礼の壮行会で
選手発表をしてる最中に、全校生徒の前で
駅伝チームの監督の先生と校長先生に
抗議をし始めたらしく。
選手に選ばれた子のお母さんたちも
見に来てるし、生徒も先生も
ビックリというか・・・
まぁ、このお母さんのこういう抗議って
これが初めてじゃないからみんな
「またやっちゃったよ」
って感じではあったんだけど。
今まで、それでゴリ押ししてきたことも
いっぱいあったりして。
おかげで、そこの子供は
なぜかいつも一番だったり、
学年代表だったり。
でも、その時は認められなかった。
そりゃそうだよね。
いくらお母さんが
「この子が一番じゃないのはおかしい」
って言ったって
他にもっと速い子がいれば
そっちの子を出すのが当たり前だし。
もちろん、その子だって
選手に選ばれるように毎日
一生懸命練習してきてるけど
他の子たちだって
同じように一生懸命
練習してるんだから。
その子が無理矢理選手にしてもらったら
選ばれた子の中から一人選手から
外されてしまうわけでもあるのに。
そもそも、これから先こんなことは
いくらだってあるわけで。
なんだかんだ言っても
色々な場面で誰かと競争しないと
いけないことはいっぱいあるし。
一生懸命頑張っても必ずしも
報われるわけじゃないってことだって
たくさん出てくるし。
それを全部排除なんて
してあげられないでしょ。
そういう時に、どうやって乗り越えるか
っていうのを、きちんと教えてあげるのが
親の役目だよね。
「子供のために」
って、挫折させないように
他の子に負けないようにって
親が全部根回ししてたら・・・
子供が自分で挫折や失敗から
立ち直れなくなっちゃうし
いつも親に頼らないと
生きていけなくなっちゃうよ。
このお母さんは、ちょっと
極端すぎるけど
「子供のために」
「子供がかわいそう」
って思いが
本当は子供のためになってないってことが
けっこうあったりするから、気をつけないと。
それでは、また♪