「お金」にこだわった理由

我が家は十数年前に、
両親が経営してた会社が倒産し
一家で夜逃げをしました。

とりあえずその時所有していた
3台の車に、洋服や生活に最低限必要なものを
積めるだけ乗せて逃げたわけです。

所持金も2~3ヶ月持つか持たないかって
感じだったと思います。

ただ、住所を移せないので
しばらくは定住という選択肢はなくて
放浪生活をしていました。

その間は、まぁ夜逃げ中ですし
お金がなくても、それなりにしてたわけです。

 

ところが、何とか住むところも確保して
男性陣の仕事も見つかって

何とか「普通」の生活ができるようになった時
母は逆に我慢できなくなってきたわけです。

会社を経営してたことは
年収1000万以上はあったので
それなりの生活をしていました。

会社を経営してるので
経費で落ちる部分も多く、
そういう意味でもお金がいつも動いていました。

ところが収入は3分の1くらい
住むところも小さなアパート
持っているものも必要最低限

夜逃げ前からは考えられないような
質素な生活になったわけです。

私をはじめ、父や弟
そして私のダンナさんは
それでも、それなりに生活を楽しんでいましたが

母にはそんな生活が
許せなかったみたいです。

生活が苦しいってことよりも
周りに「みじめ」に見られるのが
すごくイヤだったみたいで。

買いものに行っても
「これしか買わないのは恥ずかしい」

外食しても
「これだけしか注文しないのは恥ずかしい」

洋服もいつも同じじゃ恥ずかしい。

この家に人を呼ぶのは恥ずかしい。

お金がない生活が不便とか苦しいってことよりも
「恥ずかしい」っていう気持ちの方が大きくって。

だから、お金が入ると
とにかくドカッと買い物しちゃって・・・

無駄なものや必要のないものまで買ったり
たくさん買っては、人にあげてみたり。

そして
「あっちで暮らしてた頃は○○を食べたけど・・・」
「あっちで暮らしてた頃は〇〇も買えたのに・・・」

で、
「私は平気だけど、お父さんが納得しないのよね」
って、やっぱり父のせいにするという(笑)

「お父さんがこれじゃないと納得しないから」
「お父さんはこの安いのは食べてくれないから」
「お父さんは欲しいって言ったらすぐ買わないと怒るから」

父のせいにしながら、自分の欲求を満たそうと
必死に頑張ってました。

そしてお金が無くなると
父や弟の頼まれものを買ったために
予定が狂った。

経済状態を全然知らないくせに
好き勝手に欲しいものを言ってくる。
昔の状態から抜けられないでいる。

って、主張して。

そして

「やっぱり生活の質を落とすなんて
 無理な話なのよねぇ」

母の中では

お金がある=素晴らしいこと
お金がある=豊かなこと
お金がある=みんなに羨ましがられる

の図式だったんだよね。

たしかにね、倒産する前には
周りに群がってた人が
さぁーーっといなくなったからね。

お金がないってことは
何もかも失う、人生の終わり
みたいに感じてたんだろうね。

 

お金が無くなっても
実はけっこう幸せだったのに(笑)

ていうか、生活できるだけのお金は
ちゃんとあったのにね。

それに気づけなかった
母は幸せじゃなかったんだろうね。

 

それでは、また♪

 

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