親も子供と一緒に成長していくんです。

愛してるからこそ心配するんだけど・・・


子供のことを愛してるからこそ
あれこれ心配になるし
ついついあれこれ口うるさくなる。


子供の幸せを願ってるからこそ
子供が困らないように
ついつい厳しくしてしまう。


子供のことを思ってるからこその
親の愛情の表れではあるんだけど
それがかえって子供を苦しめていることもあります。

 

ある男の子の話なんですけど。
と言っても、もう20代半ばなんですけどね。


この男の子は聴覚障害があります。
高校までずっと聾学校に通っていました。

聴覚障害がある以外は
しっかりした元気な男の子だったんです。
やんちゃなくらい元気でした。


勉強も頑張ってたし
卓球が大好きでずっと卓球も頑張ってました。


ただ、お父さんはこの子が
「障害者」とハンデのために
将来、困らないようにとても厳しく育てました。


耳が聞こえない分、ほかでカバーできるように。
耳が聞こえない分、ほかは迷惑かけないように。
耳が聞こえない分、人より頑張らなくちゃいけない。


これができないと、将来困る。
これができないと、世の中じゃ通用しない。
これができないと、ひとりで生きていけない。

 

お父さんとしては、障害があっても
しっかり自立して、自分らしく生きてほしいって
思いが強かったんだと思うんです。


とにかくこの男の子の将来を心配してましたしね。
愛情が強すぎたんだと思います。


ところがね、この男の子
大学に進学したんですけど
うまくいかなかったんです。

耳が聞こえないために
コミュニケーションがうまく取れなかったり
授業についていけなかったり・・・


そしたらね

お父さんから言われてきた言葉が
ワーッと溢れ出してきて

「自分が出来なかったからダメなんだ」
「自分がいると人に迷惑をかける」
「自分なんていちゃいけないんだ」

って自分を責めるようになって。


そこからは・・・

就職したけど、やっぱり耳が聞こえないってことで
うまくいかなかったとか

就活したけど、耳が聞こえないからって
全然仕事が見つからないとか


「耳が聞こえないから何もできない」
「やっぱり自分は迷惑な存在なんだ」
「結局、世の中で通用しない人間なんだ」


って何もかも悪い方向に行っちゃって
鬱になって、完全に引きこもってしまって。


だけど、お父さんはまだまだこの子の
本当の気持ちに気付いてあげられなくって


「そんな弱いからダメなんだ」
「もっと強くならないでどうする?」

ってますます追いつめちゃって。


お母さんは、お父さんと距離を取らせるために
この子を一人暮らしさせたけど

結局アパートに引きこもってる生活から
抜け出せなくって、ますます悪循環。


とうとうお母さんも限界になって
お父さんと話し合いを。


お父さんは、この子のためを思って
お父さんなりに一生懸命やってたけど
それが、この子を追いつめていたことに気付いて


男の子の話を初めて黙って聞いてくれたそうです。
そして、男の子の話を受け止めてくれたそうです。


男の子がお父さんと向き合えたのは
お母さんの一言

「大丈夫、何があってもお母さんが守ってあげる。
 あなたは何も悪くないから」


この一言で全てが動き出したんです。


自分のことを守ってくれる人がいる
自分のことをちゃんと受け止めてくれる人がいる


それだけで、一歩動き出せて


その結果

お父さんも自分のことを
思ってくれてたんだ

話せばちゃんとわかってくれるんだ


っていうことがわかって。


ホントに少しずつだけど
でも大きく動き出すことができました。


まずはアパートを引き払って
同居を再開するところから
再スタートするようです。

 

親が子供のことを思って心配するのは
子供を愛してるからこそなんだけど


それが「脅し」になってることも
けっこう多いんだよね。


だからできなかった時に
世の中が怖くなって
動けなくなっちゃう。


愛してるからこそ
「大丈夫だよ」

って、伝えてあげてください。

 

それでは、また♪

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